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JRAの賞金増額…その狙いは?
JRA20個のGIレースの賞金が増額発表
昨年のクラシック3冠馬・コントレイルが、先日行われたジャパンカップを勝利し、ラストランで有終の美を飾った。
そのジャパンカップは日本国内の最高賞金レース(1着賞金3億円)であることはお馴染みで、近年はそれと並んで暮れの有馬記念も肩を並べるような形で1着賞金3億円に設定されている。
この2つのレースだが、来年からは1着賞金が1億円上乗せされ、ことがJRAから発表された。
また、あわせて天皇賞(春・秋)、大阪杯、宝塚記念の1着賞金が2億円になることを筆頭に、20個のGIレースの賞金が増額となった。
3億円というだけでもかなりの高額賞金だと思うのだが、そこからさらに増額となった理由は何だろうか?世界の高額賞金レースを見比べる
ここで世界の高額賞金レースが、どこでどう設定されているのかを見てみよう。《世界の高額賞金レースランキング》
順位 レース名 賞金 1位 サウジカップ 10億5000万円 2位 ドバイワールドカップ 7億5600万円 3位 ジ・エベレスト 5億0220万円 4位 香港カップ 4億5000万円 5位 BCクラシック 4億3260万円 6位 香港マイル 3億9000万円 7位 香港スプリント 3億6000万円 8位 メルボルンカップ 3億5640万円 9位 ザ・ゴールデンイーグル 3億3210万円 10位 ドバイシーマクラシック 3億0450万円 -- ジャパンカップ 3億0000万円 -- 有馬記念 3億0000万円 -- ドバイターフ 2億4360万円 -- 凱旋門賞 2億1000万円 世界基準のレースとするために
情勢等によって毎年賞金額が変わるレースもあるのだが、こうして世界のレース賞金を見ると3億以上を超えるレースがズラリと並ぶ。
とくに香港の国際競走は今年7月に増額が発表され、より注目があつまる開催となっている。
…つまり、JRAがジャパンカップと有馬記念の賞金額を上げたのは、前述の香港競馬の動きに対抗するというのが一番の理由だろう。
香港国際競走も、ジャパンカップも同じ国際競走ではあるのだが、香港の方が例年有力どころが集まっている。
同じ2400mであるにもかかわらず、日本馬ですらジャパンカップではなく香港ヴァーズへ使う陣営もいるくらいだ。
そんな状況で今年から賞金額を上げたのが香港で、そうなるとさらにジャパンカップへ出走する魅力が薄れてしまうのは言わずもがな。
今年のジャパンカップには外国馬が3頭出走したが、うち2頭(ジャパン、ブルーム)は日本人オーナー(キーファーズの代表・松島正昭氏)の半持ち馬でもあっただけに、パフォーマンス的な意味合いでの参戦が強かった。もちろん遊びでレースに臨むということはないが「勝負度合い」というところで言うと、やはり・・・である。
このままではジャパンカップの存在意義がなくなってしまう。
その嫌な流れを止めるため渋々賞金額増額ということだ。香港に馬が集まる理由は賞金額だけではない
また、香港の方に馬が集まるのは、海外の主要レースの開催時期が影響しているというのも大きな理由のひとつだ。
10月初旬に凱旋門賞、10月末にブリーダーズカップ(BCクラシック)という最高峰のレースが行われるため、その約1ヶ月後に行われるジャパンカップは選択肢にはなりづらいのだ。
移動期間を含めて2ヶ月ほど取れる香港はローテーション的にうまく嵌る、というのも誘致しやすい要因になっている。
その香港から2週間ほどすると有馬記念がある。
JRAとしてはジャパンカップから有馬記念への連続出走。という形で海外馬に出走して欲しい気持ちはあるのだが、今回の賞金増額でどこまで意欲を出してくれる競走馬(厩舎・オーナー)がいるだろうか。
2022年以降の変化には注目したいところだ。あの頃が良かった?
一方、関係者やファンからはジャパンカップに関して「昔みたいに芝とダートを同週にやれば盛り上がるのに」というファンの声も少なくない。
2007年までは「ジャパンカップウィーク」と称して、東京競馬場で土曜にジャパンカップダート、日曜にジャパンカップを実施し、お祭り的な週末を作っていた。
個人的にもあの一週間は他のGIとはちょっと違ったムードで楽しみにしていた記憶もある。
それが売上(年末は毎週GIを行う)や、ファン獲得の観点などから、施行時期、場所を変えて今のような形になっている。
改めて海外競馬に目を向けてみると、香港国際競走やブリーダーズカップを筆頭に、その国を挙げて一大競馬開催を実施する時は、様々な種類のビッグレースを設定し、海外から様々な路線の強豪たちを集めるような施策を打っている。
厩舎やオーナーもひとつのジャンルの競走馬しか管理していないわけではないし、そういった意味でも同じ日、週に色んなレースを設定し、開放するのはメリットが高いと思う。
こういうのを見ると日本人としてもいわゆる「お祭り感」を感じられるし、内外から日本での国際競走を盛り上げられるはずだ。
「では来年から」という訳にいかないのは当然分かっているが、エンターテインメントという意味で日本が海外に立ち遅れてしまわないよう取り組んでもらいたいものだ。
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10/13に提供された「アディショナルタイム」というコースでは、京都12Rで469.5倍の高配当を的中させた。今回も18点という少ない点数で狙い、推奨単価はリスクを抑えた600円となっていたので、28万 1700円の払い戻しとなった。
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