競馬コラム~騎手編 (デムーロ、負のスパイラルにハマる) |競馬情報は、競馬のブログ形式の競馬コラムです
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デムーロ神話が崩壊。10年間のデムーロ・神時代
ノーザンファームグループが「C.ルメール・ファースト」、「ルメール絶対主義」を貫き、大レースにおいてルメールに合わせて勝てる馬を使い分けるのに対して、同年にJRAの通年免許を取得したデムーロの凋落ぶりは顕著で、「ルメール・ファーストでM.デムーロの心情いかに?」でも少し書いたが、果たしてデムーロはどこから歯車が狂ってしまったのだろうか? -
歯止めが効かないデムーロ離れ
「ダービー制覇」の後、約10年間はコンスタントに短期免許で来日を繰り返し、デムーロは「日本」では「騎手」として貴重な存在として扱われてきたのだが、風向きが変わり始めたのは、2015年にJRAの騎手免許を取得し、年間通じて騎乗できるようになった頃からだと私は思う。
…今から20年前の1999年に、短期免許で初来日したデムーロ。
当時のデムーロは、1997年から2000年まで4年連続で イタリアリーディングジョッキーだったのだが、イタリア競馬の賞金レベルは日本の大井競馬と同程度のもので、さらにはイタリア競馬での賞金不払い事件などが重なったため、イタリア競馬へ不安を感じたデムーロは、この頃から短期免許で日本の競馬に騎乗する機会が増え始めた。
その後も、短期免許での来日を繰り返していたデムーロだったが、2003年にネオユニヴァースで皐月賞を制し、続くダービーでもネオユニヴァースで外国人騎手としては初となるダービー制覇を飾り、この時期を皮切りにどの紙面でも「デムーロ」の名を見るようになり「デムーロ・神時代」が本格的に始まったのだった。
これまでは短期免許での来日だったため、一鞍一鞍を大事に乗っていたデムーロだったのだが(インタビューでもその気持ちが伝わっていた)、一年間通して騎乗できることに慢心したのか、年を経るごとに騎乗が雑になっていった。
そして騎乗が雑になると同時に競馬も強引になり、年々制裁点が増えていったのだ。
《 M.デムーロ 年別制裁点 》
2015年 制裁点70点(全国4位)
2016年 制裁点77点(全国2位)
2017年 制裁点91点(全国2位)
2018年 制裁点71点(全国1位)
この表を見ても一目瞭然だが、デムーロは不動の「制裁点ランキングの上位常連騎手」となった。
制裁点が多いということは、ソレに比例して騎乗停止になる期間も長くなる。
「騎乗停止になるジョッキー」というレッテルが貼られると、特にクラシックシーズンなどはデムーロの騎乗技術を当て込んで有力馬を乗せたい関係者も、万が一にも騎乗停止になった際に、デムーロクラスのジョッキーはスグには確保できないので、その点を考えデムーロに騎乗を依頼するのを「警戒」し、二の足を踏む厩舎関係者が年々増えていき、その分、真摯に騎乗するルメールに質のいい馬がどんどん流れて行った。…という構図が出来上がってしまったのだ。
これがいわゆる「ルメール・ファーストでM.デムーロの心情いかに?」でも書いたような「ルメール・ファースト」という現象が当たり前になった大きな要因だ。
また、プライベートでも昨年、美人妻と離婚し、生活が乱れていたということを指摘する声もちらほら。
さらには「泣きっ面に蜂」とはまさにこのことか。
これまでデビュー戦から4戦連続で騎乗し3勝、計7度も騎乗し5勝、そのその内の1勝は昨年末の交流GⅠ東京大賞典という、まさに手塩にかけて育ててきたオメガパフュームが、6月26日の帝王賞に出走するのだが、なんとこの馬も「D.レーン騎手、25歳の台風の目」の競艇コラムで紹介した、D.レーン騎手に奪われてしまったのです…(>_<)
デムーロとしては、もう一頭のお手馬であるルヴァンスレーヴに騎乗するつもりだったようだが、左前脚に不安を発生し回避の憂き目に。
「ルヴァンスレーヴ」がダメなら「オメガパフューム」と本人も思っていたかもしれませんが、オメガ陣営が早手回しにレーン騎手をおさえてしまったとなると、泣くしかないデムーロ。
「負の連鎖」が止まらないデムーロ騎手。
…ここで心を入れ替え、今こそ「初心忘れるべからず」なんだろう。イタリア語でなんと言うかわからないが、個人的に好きな騎手なので誰か助言をしてあげてほしい。…こんな時イタリアではどんな厄落としがあるんだろう?
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