競馬予想ブログ (出走意思なき登録が生んだ混乱――出走しない登録が奪ったもの)
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出走意思なき登録が生んだ混乱――出走しない登録が奪ったもの
有馬記念特別登録が引き起こした異例の騒動
先週日曜、有馬記念の特別登録馬が発表された。その直後から、競馬ファンの間では大きな波紋が広がった。
ざわついた、という表現では足りず、実際には炎上に近い状況だったと言っていい。
発端は、週中から報じられていた一頭の動向である。
今年の天皇賞・春を制し、年明け以降の始動が見込まれていたヘデントールが、突如として有馬記念に特別登録を行ったのだ。

ライラックを直撃した、想定外の登録
この登録によって最も大きな影響を受けたのが、エリザベス女王杯3着から有馬記念を目標としていたライラックである。
ライラックは重賞での好走を続けていたものの、賞金の加算はできておらず、有馬記念に出走するためにはファン投票での選出(出走予定馬で10番目までに入ること)が不可欠だった。
そんな中でライラックはファン投票全体では33位、出走予定馬に限れば10位に入り、出走圏内に滑り込んだ
――そう見られていた。
しかし、急遽登録をしてきたのが、全体10位の支持を集めたヘデントール。
これによりで状況は一変する。
全体10位の支持を集めていたヘデントールが繰り上がり、ライラックは押し出される形で賞金順へと回され、有馬記念出走はほぼ不可能な状況となった。
藤岡佑介騎手にとっての「最後の有馬」
さらにファンの心情を揺さぶったのが、ライラックの鞍上予定だった藤岡佑介騎手の存在である。
藤岡騎手は先日調教師試験に合格し、来年2月でのジョッキー引退が決まっていた。
有馬記念は、藤岡騎手として最後に立つ可能性のあった大舞台だっただけに、ファンからは落胆や無念の声が数多く聞かれた。
登録の真意はどこにあったのか
ヘデントールの登録については、管理する木村哲也調教師の判断だったとされている。だが、出走する意思がないとされる競走馬を、なぜ特別登録したのか。
その意図はいまだ明確になっていない。
オーナーであるキャロットクラブは、登録について事前の認識がなかったことを公表している。
また、同厩舎のスティンガーグラスを出走させるための布石ではないか、という憶測も飛び交ったが、こちらもオーナーであるエムズレーシングが正式に出走回避を発表し、その可能性は否定された。
結果として、出走するつもりのないヘデントールを登録しなければ、出走したかったライラックは何の問題もなく出走できていたが、木村哲也調教師の独断とも受け取られかねない行動が、多くの関係者とファンを巻き込む形で大きな話題へと発展してしまったのは否めない。
「自由」と「影響」の境界線
競馬において、レースへの登録は自由であり、状況次第で回避することもまた自由である。それ自体は制度上、何ら問題のある行為ではない。
ただ今回に限って言えば、出走を強く望んでいた馬と陣営、そしてファンの想いが、明らかに出走意思のない側の行動によって左右されたという点で、非常にショッキングな出来事だった。
真意が明かされていない以上、断定的な評価はできない。しかし、競馬はファンや関係者の期待や熱量によって支えられている興行でもある。 そうした想いに水を差すような事態は、これからもあまり目にしたくはないものだ。
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