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競馬予想ブログ (藤田菜七子、50勝の壁)

7月19日新潟競馬場において、女性騎手として通算最多勝の、34勝を挙げ、JRAの女性騎手最多勝に並んだ藤田菜七子騎手

その後も、7月25日の競馬でさらに1勝を加算し、JRAの女性騎手最多勝を更新した。

通算勝利で並び、通算勝利最多勝更新で2週連続の表彰を受けた藤田菜七子騎手は、今後は1つ勝つ毎に最多勝記録更新となるので、その度に表彰があるのかどうかは分からないが、それより心配しなくてはならないのは、今後勝ち星を重ねるにつれて無くなっていく「斤量差の恩恵」だ。


まだデビュー3年目の減量騎手である藤田菜七子騎手は、通算勝利数が30勝未満であった時期は「斤量減の恩恵がない騎手」と比較してー3kgの恩恵を受けていた。
コレはかなり大きい。

このルールにより、クラス再編成直後(概ね6月初頭)は、例えば3歳牝馬に藤田騎手が騎乗すれば49kgで、同じレースに武豊騎手が古馬の牡馬に騎乗するのであれば57kgとなり、別定戦でも8kgの恩恵を受けていたのだ。


そして、今回の藤田騎手の「30勝突破」によって−3kgの恩恵がー2kgとなり、前出と同じケースでは8kgが7kgとなった。

それでもまだまだ十分な「恩恵」と言えるが、既に藤田騎手は35勝を挙げていることから50勝到達は時間の問題となるため、そうなった時、50勝を突破した時点で斤量の恩恵はー1kgとなるのだ。

そうなると「斤量が軽くなり、尚且つ騎乗技術が高い」という妙味は一気に失われて、単純にハンデ無しの本当の腕勝負」となる。


実際、同期の荻野極騎手や、小幡巧騎手は、既に通算50勝を達成しているので、この夏はあまり活躍が見られなかったが、このルールを理解してれば「その理由」が分かったでしょw
また、一期下にも関わらず、横山武騎手や富田暁騎手、武藤雅騎手が前出3人よりもリーディング上位にいるのは「そういった理由」で厩舎から重用されたからだ。


そして、さらに逆風となるのが10月から適用となる、「3歳馬の斤量増ルール」だ。

3歳馬と、古馬の斤量差は、時期によってかなり異なるが、クラス再編成直後の3歳馬と古馬は、その時点では流石に古馬の力が総じて上というJRAの基準のもとに「3kg差」と設定されている。
そして3歳馬が成長するに伴い、古馬との力差が縮まるというJRAの基準もあり、そのルールに則り、10月を境に3歳馬の斤量は1kgずつ毎月増えていくのです。

そして最終的に年が明けて4歳となると古馬と見做され、4歳馬と5歳以上の馬は同斤量となる(既に1月から4歳となっているが、JRAが「2月」を区切りの月と定めているため、斤量変更は2月から実施されている)


…これが「減量騎手の恩恵のロジック」だ。
つまり、「夏競馬」で藤田菜七子フィーバーが起こったのは、ある意味「必然」だったのだ。

そして今年の藤田菜七子騎手の「妙味の期限」は今開催の中山、阪神開催一杯で、以降は月を追うごとに妙味が薄れて行くのもまた「必然」だ。


前記したように藤田菜七子と武豊の斤量差、8kgルールが適用されるのはクラス再編成直後から秋開催の中山、阪神までの約4ヶ月で、来年の1月末までに仮に藤田騎手が50勝を突破していれば、藤田菜七子騎手と武豊騎手の斤量差は2月以降はたったの「ー1kg」となる


今回は藤田菜七子騎手という「絶好のサンプル」があったので上手く説明できたが、文字通り減量騎手にとって「秋から冬」という季節は「冬の時代」となり、こういうのも競馬予想をする上では重要な情報だ。

減量騎手の買い時」は、このようなルールを把握しているといないのでは全く変わってくる。当然騎乗依頼をする陣営の思惑もそこに絡んでくるからね。

今週から始まるスーパー未勝利も含めて、妙味期限が残り1ヶ月の減量騎手の取捨選択は、是非これらの情報を参考にして下さいw


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