競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編 (調教師の存在意義〜悩める敏腕トレーナー中内田調教師) |競馬情報は、競馬のブログ形式の競馬コラムです
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調教師の存在意義〜悩める敏腕トレーナー中内田調教師
中内田厩舎の、中内田充正調教師
栗東の中内田厩舎は2014年に開業し、今年2月、史上最速となる7年11ヶ月でのJRA通算300勝を達成した。
昨年は自身初となる全国リーディングを獲得するなど、近年は栗東のリーディング争いの常連となっている。
管理する中内田充正調教師は、滋賀県出身で、実家はその滋賀にある育成牧場・信楽牧場だ。
そんな環境下もあり、自然と競馬界へと進路を選ぶことになるのだが、その志は強く、16歳からアイルランドへ修行しに行き、その後はフランス、イギリスといった欧州の競馬強豪国、さらにはアメリカへも渡り、世界の様々な競馬の調教技術・知識を学んだ、まさに国際派トレーナーである。中内田厩舎には「買いか、消し」の傾向がある?
GIで3勝、重賞では26勝と順調に実績を積み重ねている状況なのだが、そんな中内田厩舎にはちょっとした傾向がある。
これは競馬ファンや関係者の間でも話題になっていることなのだが、とりわけマイル以下に良績が集中しているのだ。
前述のグレードレースの勝ち鞍も、ダノンプレミアムの弥生賞(2018年)と金鯱賞(2019年)以外はすべて2000m以下のレースであり、逆にいうと2000mを超えるレースでは未だ重賞を勝てていないのである。
平場こそその限りではないものの、中内田厩舎の馬は「マイル以下は買い、2000m以上は消し」というパターン?がにわかに浸透してきているのだ。中内田厩舎と外厩との関係性にも影響が
前述の「マイル以下に良績が集中している」というのも、そんな傾向になっているのは決して偶然ではなく、中内田厩舎の調教・調整方法が影響しているようなのだ。
具体的に何が、というのはハッキリしないのだが、短い距離向きになっているのは明らかだけに、クラシックを意識できる馬がそれ相応の結果を出せないのはオーナーサイドとしては何とも言えない状況に陥っている。
そんな中で近年利用が活発になっている外厩との関係も複雑になっているようで、
・できる限り在厩で結果を出そうとする厩舎
・結果が出ないので外厩調整を進めるオーナーサイド(いわゆるノーザン系)
という、両者のズレが今ちょっとかみ合わなくなってきているようだ。調教師の存在意義
今や外厩で8割程度まで仕上げ、入厩して2週間ほどでレースへ、という使い方が当たり前となった中央競馬。
そこにはメリットとデメリットが存在しており、ひと口に良い悪いを判断できない状況でもあるのだが、その中でハッキリと言えるのが「調教師」の存在価値だ。
個人的には、競走馬は手元で育てて成果を出すことが調教師としての最大の使命であり本質だと思うのだが、それが今は管理している競走馬を上手く循環させて出走させることが主になりつつある。
帰厩して2週間はある程度決められた時計で走って出走する。そして出走したらすぐに外厩へ放牧。…といった、そんなことの繰り返しをしているだけでは、調教師の存在意義がない。
とは言え、オーナーあっての競走馬であり、それを管理する厩舎・調教師でもあるだけに、完全に否定することもできない。
非常に難しい問題だ。
つまり、サラリーマン調教師になるか。
それともホースマンとしての意地を貫くか。
近年の調教師は様々な苦悩と葛藤を抱えて日々頑張っているのである。
これからの競馬界を引っ張っていく存在になるであろう中内田厩舎としても、ここ数年は真価が問われることになるだろう。
これからクラシック競走や、古馬王道GIなどを勝ち負けできる馬を育てることができるかどうか。
先週のNHKマイルCで1番人気を裏切る格好になったセリフォス(4着)をはじめ、今年はまだ重賞を1つも勝てていないだけに、残りの春シーズンはより一層力が入ることになるだろう。
埋もれてしまっては勿体ない存在だけに、何とか頑張って欲しい。
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