競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編 (元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者) |競馬情報は、競馬のブログ形式の競馬コラムです
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元騎手からの2020年度、注目の調教師合格者
2020年の元騎手からの〜調教師合格者
先日JRAから今年2020年の調教師免許の合格発表があり、合格者は7人。
その内、4人は騎手で蛯名正義騎手、村田一誠騎手、畑端省吾騎手、西田雄一郎騎手が合格となった。
(元騎手が引退後に調教師になることはよくある)
蛯名正義騎手は3年ほど前から調教師試験を受け続けていることを公言していたので、3度目の正直でやっと合格と、ネットでも報道されている。
因みに騎手は、現役のまま調教師試験を受けることはできる。現に蛯名もそのパターンで、受からなければ翌年も現役を続けられる。
調べたら調教師試験に受かれば2月一杯まで現役で、3月から調教師実習に入る流れだそうだ。
そんな蛯名騎手のことなら耳にしたことがある人も多いだろう。G1を何勝も勝っている騎手なので「調教師免許を取った」となれば今年の調教師免許取得者の中では注目度No.1だろうが、今回注目したいのは蛯名騎手ではない。
西田雄一郎騎手である。超スピード違反で出頭しなかった西田雄一郎
「西田雄一郎」といえば、蛯名騎手のように順風満帆に騎手人生を過ごし、いくつものG1勝利を積み上げた騎手とは対照的に、西田騎手の騎手人生はかなり波乱万丈だった。
西田騎手は高校を2年で中退した。
その後1995年、競馬学校に入学し、第11期生として卒業し騎手免許を取得した。
デビュー後は新人ならではのローカル回りが多かったのは仕方のないことだが、デビュー2年目に福島記念G3を制覇した。…と、ここまでは比較的順調だったであろう。
しかし西田騎手に恐怖の転機が訪れてしまう。
なんと騎手免許を取得してわずか3年後の1998年、自動車の制限速度を109kmオーバーという、かなりの猛スピードで自動車のスピード違反を犯してしまったのだ。
本来ならばここまでのスピード超過となれば現行犯逮捕となるところだろうが、この事件はただの109キロオーバーでは終わらない。
おそらくこの事件が露見してしまったのは西田騎手が運転していた車がオービス(速度違反自動取締装置)に検知され、その後警察から出頭命令が出されていたものの、西田騎手は出頭しなかったのだ。
更にあろうことか、出頭命令を無視し続けて車の運転を続け、今度は同じ1998年に別の場所で制限速度20kmオーバーで現行犯逮捕となった。
何があったか知らないが、最初の出頭要請にビビって出頭できないまま2度目の違反を犯してしまったのだろうか。
普通に考えても、スピード違反といったら20km〜30kmオーバーくらいだろう。それが「109kmオーバー」とは、一発取り消しが確定的なスピード超過だ。
当然この事件が明るみに出ればJRAからも厳しい処罰が課せられるのは誰が考えてもわかること。
ソレを恐れて出頭しなかったのだろう。
しかし2回目のスピード違反が現行犯であったため、逃げ場を失った西田騎手はJRAの処分が決まる前に1999年10月1日付で騎手免許を自主返納し、自分で責任を取る形を選んで競馬界を去った。西田雄一郎復活〜そして15年間お疲れさん。
しかし「捨てる神あれば拾う神あり」というか、西田騎手はその後、社台系の牧場である山本元トーレーニングセンターにスタッフとして勤務することとなった。
そしてその6年後、西田騎手にはどうしてもジョッキーとして再起したい。という強い思いがあったようで、騎手免許を再度受験し、JRAも禊が済んだと判断したのか、西田雄一郎、見事合格するのだった。
2005年3月から再び「騎手」としてターフに戻った。
その後の15年間はスピード違反など愚かなことは無く、つつがなく騎手としての人生を全うし、2020年、46歳の西田雄一郎は調教師として再々出発することとなった。
なんだか根性あるというか、試験には強い人なんだな。実は大物の相?新調教師・元騎手、西田雄一郎
冒頭にも書いたように、2020年度の調教師免許合格者の中で元騎手であった合格者の騎手としての「格」を考えれば、言わずもがな、現在51歳の蛯名騎手がダントツだ。
続いて村田騎手、畑端騎手、そして最後に西田騎手という序列となるだろう。
だが、どこかの記事にもあったように案外調教師として成功するのは西田騎手なのではないか?…というウワサもある。
というのも蛯名騎手や村田騎手は騎手免許の勉強をするために意識的に騎乗数を減らして勉強してたようで、特に村田騎手などは何度も試験に落ちるたびにJRAの試験官から「騎乗数を減らすのもマイナスイメージになる」と注意されてたらしい。
それに引き換え西田騎手は、騎乗数を絞らなくても根本的に乗鞍が少なかったのも当然だが、特に普段と変わりなく騎乗し、試験を受けてあっさりと合格してしまった。
これには西田騎手が現役を引退していた期間に山元トレーニングセンターで勤務していたことが大きく影響していたのではないかと言われており、幸か不幸か今となって振り返ると、西田騎手はジョッキーとしてのキャリアもさることながら牧場スタッフとしてのキャリアも既に経験していたため、馬の作り方や育て方も既に熟知していて、それが今になって活かされ、試験で高得点を得ることになったようなのだ。
当然ながら調教師試験というのは競馬場で馬に乗る技術を試験するのでなく、馬を育てて競馬場に繰り出すことを試験するものであるなら、西田騎手の山本元トーレーニングセンターでスタッフとして学んだ6年間という長いキャリアも、ここで活きたといっても過言ではなかろう。
これからの人生でまさか過去の失敗が役に立つとは、西田騎手も当時は狙ってなかっただろう。
山本元トーレーニングセンターに大感謝だ。
先日の阪神JF・G1にソダシを送り出した須貝尚介調教師も元騎手だったが、騎手自体は中堅もいいところのパッとしない騎手だったようで、調教師となってからゴールドシップやジャスタウェイといった活躍馬を送り出した名調教師となっている。
西田騎手、キャラ的にも好感度の高い騎手だったので、今度は調教師として一花咲かせて笑顔を見せてもらいたい。
(できれば名調教師となっても、ランボルギーニとか買う成金のようにはならないで欲しいなw)
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