競馬の楽しみ方~調教師・厩舎編 (外厩調整!・・・写真が撮れません!!) |競馬情報は、競馬のブログ形式の競馬コラムです
…って、そもそも外厩って何?って思うよね。
「外厩」とは、読んで字のごとく「外にある厩舎」で、馬が短期放牧される際に牧場に入るんだけど、ソコにはトレセン顔負けの厩舎施設があり(普通に坂路とかウッドとかあります)、管理馬が多い厩舎は敢えて放牧に出して、そこで調教して仕上がったら入厩して即競馬に使う…って為に造られたものなのです。
年々外厩を使って馬を仕上げる厩舎が増えてきてて、成績も上がってきている厩舎も多くいるんだけど、それに伴い様々な弊害と言うか、今まで起きなかった事象が所々で発生しているんですねー。
タイトルの「写真が取れません・・・」ってやつだけど、コレは、「この事象」を説明すると、今年3月27日いに行われた高松宮記念に出走したアルビアーノ(3着)なんだけど、競馬新聞の調教欄をみると一週間前の調教の数字がスッコ抜けてた。
それもそのはず、
この馬は放牧先のノーザンファーム天栄(関東の社台系の馬はここを良く使われてる)から、規定ギリギリ(当該レースに出走する馬はそのレースの10日前までにトレセンに帰厩しなければいけないというルールがある)の、10日前に帰厩したから、ハプニングが起きました。
レース10日前というと1週前の木曜日、ただしトレセン入厩時は検疫があるため実際に馬場入り出来るのは金曜日となり、本来一週前調教は水曜か木曜に行われるため、当然一週前調教は出来ません。
これでは調教を見て状態をチェックするTMは困った事でしょうが、実はもっと困っていたのは競馬週刊誌のカメラマン。
実は「ギャロップ」や「競馬ブック」に掲載する有力馬の馬体写真は、レース一週前の水曜か木曜に撮影するのが常(あんなもの誰も見てませんが・・・・)なんだけど、その時に「関東一番手のアルビアーノが美浦トレセンにいないんだから、そりゃあ慌てますよ」…って、関東の某カメラマンの発言。
こうした規定ギリギリの入厩は 条件戦であれば以前から散見されてたけど、大一番に仕上げで臨むG1レースでは異例中の異例で、これで物議をかもしたのが昨年のオークスの「ルージュバック事件」だ。
この時もギリギリ入厩でしたが、肝心のルージュバックはオークス2着、アルビアーノも外枠不利の馬場で3着なら、最近ではこの方法も実際「アリ」とみなす厩舎も増えている。
そこで顕著な例が、実は昨年全国リーディングを千切って取った関東堀厩舎の今年の小倉攻勢。
「あすなろ賞」を勝って後にスプリングSを勝ったマウントロブソンを例に取ると、同馬はノーザンファームしがらきから直接小倉競馬場に入厩、やはり一週前調教はなく、日曜日とレース週の水曜の調教二本で快勝。
…そしてこの小倉開催で堀厩舎は7戦して5勝の荒稼ぎ、マウントロブソン以外の何頭かはもう少し前に小倉に入厩してたとはいえ「しがらき→小倉入厩」作戦は見事に成功したと言っていいだろう。
腕利きスタッフによるハイレベルな調教を課している堀厩舎でも、外厩使いのギリギリ入厩があることには驚いたが、ただこれは賢いやり方。
小倉に滞在すると調教は、競馬場の芝とダートコースでしか行えない。…ならば美浦から持っていくかという選択肢もあるが、そうなると輸送時間がベラボウにかかる。
ならば調製施設豊富な関西の「しがらき」で調整し、規定ギリギリに小倉入厩。10日間くらいなら多少調教施設が不足していも対して影響はないし直前の長距離輸送なしでいどめるメリットは大きい。
「今回上手く行ったのだから他の厩舎も真似してくるんじゃないか」…と、前出トラックマン。
トップステーブルの堀厩舎が結果を残した以上、こうしたケースは、
間違いなく今後増えるだろう。
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