競馬の競走馬情報、2019の期待値の注目馬、記憶に残った注目馬や記録を残した注目馬
▼ 競馬・「注目馬」についてまとめてみた
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競馬の「注目馬」についてまとめてみる
これまで「競馬コラム」で幾度となく競馬の「注目馬」について競馬コラムを書いてきた。
ここでは注目馬の総括として、個人的な見解が中心とはなるが『競馬の「注目馬」について』まとめたページを作ることにした。 -
2022年の年度代表馬と、2023年の競馬界を背負って立つ馬を考察
2023年は現3歳世代が席巻するか
2022年有馬記念は3歳馬イクイノックスが1番人気に応えて優勝した。
昨年のエフフォーリアに続く3歳馬の制覇となった。
また、2着には同じく3歳馬のボルドグフーシュが入って3歳馬のワンツーフィニッシュとなり、3歳馬同士で決まったのは1994年ナリタブライアンが勝った有馬記念(2着はヒシアマゾン ※当時は4歳表記)以来の出来事だった。
ジャパンカップを勝ったヴェラアズール、エリザベス女王杯を勝ったジェラルディーナと、2022年秋で狼煙をあげた古馬たちもいたが、この大一番で現3歳世代が力の違いを見せつける格好となったのが印象的だった。
この有馬記念を回避した今年の菊花賞馬・アスクビクターモアも物差しで考えれば古馬通用の器で、古馬・中長距離路線においては、2023年の春も、この調子でいけば現3歳世代が席巻する形になるのではないだろうか。
そんな現3歳世代には、日本ダービーを勝って頂点に立ったドウデュースもいる。
挑戦した凱旋門賞は残念な結果になってしまったが、イクイノックスやアスクビクターモアなどを負かして勝った走り通りなら来年の古馬路線を引っ張る存在になってもらわないといけない。
現状、復帰戦は2023年2月の京都記念を予定しているとのことなので、しっかりと海外遠征の疲れを癒し、万全の態勢で復帰戦を迎えて欲しい。2022年の年度代表馬は?
2022年を振り返ってみて、気になるのが『年度代表馬』のことだ。
結論から言うと、おそらく冒頭のイクイノックスと、天皇賞・春と宝塚記念を勝ったタイトルホルダーの一騎打ちだろう。
あとはどちらに票が集まるか、だ。
レースのインパクトで言うとイクイノックスに分があるかもしれないが、レースの内容や質ではタイトルホルダーも劣る部分はないので、非常に難しい選択だ。
タイミング的に年末の有馬記念を勝ったことはアドバンテージにはなるだろう。
個人的な予想ではイクイノックスが年度代表馬に選ばれるのではないかと思っている。▲ 2022年の気になる年度代表馬 イクイノックス
イクイノックスは現3歳世代の中でも、今後の伸びしろやポテンシャルで言えば頭ひとつ抜けている印象がある。
戦法の幅の広さ、距離の融通性など、近年だとアーモンドアイとイメージが被る、と言えば分かりやすいだろうか。
これまでは使った後のケアが重要な馬だったが、このあたりが年齢とともに解消されてくれば「鬼に金棒」という状態になっても驚けない。
3200mという選択肢は考えづらいが、中距離(あるいはマイルでも…)においては絶対的存在になれる、なって欲しいと思う。
キタサンブラックの初年度産駒にして名馬誕生の予感を感じさせるイクイノックス。
血統背景からも古馬になってから…という元々の見立てもあるだけに、そんな期待を込めての年度代表馬に投票する関係者(競馬新聞記者)も少なくないはず。タイトルホルダー
また、対するタイトルホルダーだが、先日の有馬記念では本来の走りが披露できなかった。結果論として海外帰りのでデキが本調子ではなかったのだろう。
超極悪とも言える不良馬場でのレースだった凱旋門賞だったので、走った後の披露・ダメージはそれ相応にあったはずだ。
現3歳世代への対抗格筆頭となるのは間違いなくタイトルホルダーだろう。
今後のローテーションは未定だが、天皇賞・春にはぜひとも連覇を狙って出てきて欲しいし、今年の菊花賞上位馬との対決もファンは待ち望んでいることだろう。
2023年の古馬王道路線は非常に楽しみが持てるのではなかろうか。
短距離路線は未だに混沌としているムードはあるが、マイル路線では変わらずレベルの高い馬が出てきているし、牝馬路線も二冠馬スターズオンアースを筆頭に来年もまだまだ活躍を期待できる馬が多い。
海外への挑戦ももちろん楽しみのひとつにしたいが、まずは国内で魅力あるレースを見せることがまず重要だとも思う。
2023年は京都競馬場の改修が終わり、久しぶりに京都コースでの競馬も見ることができるし、先の天皇賞・春も京都に戻ってくる。
近年、阪神や中京で行われていたレースとは違った展開が繰り広げられるだろうから、そういったところでもより来年は競馬が盛り上がりを見せるはずだ。 -
2020年も注目馬、なるか8冠アーモンドアイ?
アーモンドアイの偉業
(追記:2020/6/3)
3歳時のアーモンドアイは年明けのシンザン記念を勝ち、その後、桜花賞、オークス、秋華賞と勝ち、牝馬三冠を達成した。
秋華賞のあとはジャパンカップも勝ち、2018年はG1・4勝を含む無敗の5連勝で終えた。2019年は若干不運なアーモンドアイ
2019年は若干不運な年となった。
ドバイターフを危なげなく勝ったまではよかったが、帰国緒戦に選んだ安田記念(6月)では「安田記念回顧〜武豊、「申し訳ない」」にも書いたが、ロジクライに騎乗した武豊がスタート直後に斜行、まさかの「やらかし」によるまともに不利を受けての3着と連勝が途切れてしまう。
夏を休養に充てて挑んだ天皇賞(秋)は休養効果十分で復活劇を演じたかに見えたが、天皇賞(秋)激走の反動からジャパンカップはスキップせざるを得なくなり、間をしっかり空けて香港Cを目指していたところ、今度は熱発で断念。
症状自体は軽微なもので、立て直して有馬記念に挑んだが、自身初の馬券圏外(9着)に沈んだ。
そもそも中山2500mというコース形態がアーモンドアイに向いていなかったのは明らかだったし、ルメールも少し自信過剰気味乗ってしまった分の負けならここは度外視していいだろう。2020年アーモンドアイにとって良い年になりそうな予感…
2020年は昨年同様ドバイターフから始動する予定であったが、一旦輸送しドバイに到着しながらもコロナの影響で直前に開催が中止。
またもや2020年も不運な年が続くのか?と、嫌な雰囲気が流れたが、ヴィクトリアマイルを快勝し、JRA・G1最多の7冠に並び6/7は、安田記念に8冠をかけて挑む。
本来アーモンドアイにとって中2週というローテーションは短い。
その理由としてアーモンドアイはレースでは常に全力を出し切ってしまう性格のため、1回使った後は相当に消耗していた馬だったのだが、前走のヴィクトリアマイルがあまりにも楽勝であったため、ほとんどと言っていいほど消耗していないということで今回の出走に踏み切ったということらしい。
おそらくヴィクトリアマイルで騎乗していたルメールも、次のレースのことを多少なりとも意識していただろう。
2020年現在JRA・G1の史上最多記録は7勝。
この記録はアーモンドアイを含め、シンボリルドルフ、ディープインパクトの3頭のみ。アーモンドアイが勝てば史上最多の単独8冠となる。
また、ここで勝たなくても秋には天皇賞(秋)、JC、エリザベス女王杯、有馬記念と、
チャンスはまだ4度残されている。
牝馬であるアーモンドアイはこれ以上勝っても物理的に種牡馬にはなれないので、残された現役生活で「いくら稼ぐか」が至上命題だろう。
獲得賞金も含めて全ての面で2020年には新記録を達成しそうなアーモンドアイだ。
アクシデントさえなければまず負けないキャラでもあり、2020年はアーモンドアイにとって良い年になりそうな予感がします。 -
2019年の注目馬と期待値〜クラシック編(牡馬)
2019年の注目馬(牡馬)はサートゥルナーリア
2019年の注目馬(牡馬)はなんといってもホープフルSを勝ったサートゥルナーリアだろ。
父はロードカナロア、母のシーザリオは日米オークスを制しているし、兄に菊花賞、ジャパンCを勝ったエピファネイア、朝日杯FSを勝ったリオンディーズがいる超良血統馬だ。↑2019年注目のサートゥルナーリア(牡馬)
この馬の注目すべきところは「メンタルの良さ」だ。…「強さ」ではなく「良さ」ねw
と言うのは、兄のエピファネイアはかなり掛かり癖のある馬で、当時主戦を務めていた福永騎手が、相当苦労していたのは有名だった。
この血族は総じて気性の激しい馬がこれまで多かったのだが、サートゥルナーリアに関してはそんなところは微塵も見せず、操縦性抜群であることはホープフルSの内容からもしっかり見て取れる。
また、この馬の父はロードカナロアであるため、常に産駒は「距離」について懸念されているが、アーモンドアイの父もロードカナロアなら配合次第ではこなせるという前例がいるのであればこの点も「懸念」に終わる可能性が高いと考える。
母系も「長距離ドンと来い」の血統なので、2,400mくらいまでなら普通に持つだろうな。
この馬の主戦はM.デムーロで、M.デムーロは朝日杯FSを「アドマイヤマーズ」で勝ち、ホープフルSをこの「サートゥルナーリア」で勝っているので、いつか両馬がカチ合う時が来るかもしれないが、どちらが強いのかは乗っている騎手が一番よく知っているハズなので、「その時」はM.デムーロが選んだ方が強いと考えて良いだろう。 -
2019年の注目馬と期待値〜クラシック編(牝馬)
2019年「牝馬」クラシック路線の筆頭格はダノンファンタジー
「牝馬」クラシック路線の筆頭格は間違いなく阪神JFを勝ったダノンファンタジーだろう。
デビュー戦こそ同じ牝馬のグランアレグリアの後塵を拝しているが、この時は陣営曰く「まさか負けるとは思わなかったので余裕を残して作りすぎた」と言っており、この後一息入れて一気に18kg体を増やしてからは破竹の3連勝ならまずは桜花賞候補筆頭と言えるだろうし、血統的にもオークスまで視野に入れられる馬だね。↑2019年注目のダノンファンタジー(牝馬)
ただ、この「ダノンファンタジー」に負けず劣らずのポテンシャルを秘めているのが同レース2着のクロノジェネシスという馬。
この馬は凱旋門賞馬バゴの産駒なのだが、これまで菊花賞馬を一頭出してはいるものの、果たして適性がどこにあるのか?という扱いにくい種牡馬だった。
その種牡馬からマイル戦でこれだけ切れる馬が出ることなど、牧場関係者すら予想をしていなかったことは新馬を小倉で下ろしたことからも伺い知れる。
ただその後の2戦が、もう圧巻の強さだった。
阪神JFでも2着に敗れはしたものの、タイム差なしだし、道中も勝ち馬とほぼ同じ位置から追い出して同じ上がりを繰り出しているのであれば、ダノンファンタジーと同等の評価をしても良いのではないだろうか。
現時点で問題があるとすれば、それは若干体がまだ小さいということか(阪神JF時436kg)
ただ、ヨーロッパではこれくらい体があれば普通に標準サイズと言われてるし、凱旋門賞馬 バゴの血を色濃く引いているのであれば、これくらいの体でも芯が通ってくれば問題ないかとも思われる。 -
2019年注目の注目馬〜古馬編
2018年のこの路線は2016年のダービー、昨年の天皇賞(秋)勝ち馬である「レイデオロ」が牽引したが、2019年は活きのいい明け4歳馬が多数存在するため、明け5歳勢はこれらとどう戦っていくかが焦点になってくるだろう。
マイル路線では昨年のマイルCSを3歳馬の身で勝った「ステルヴィオ」が2019年初頭では最右翼と言えるだろう。
そしてこのレースで2着でだったのが、一昨年のマイルCSを同じく3歳馬の身で勝った「ペルシアンナイト」だ。…ズバリこの「ペルシアンナイト」は「活きのいい4歳馬と古豪の戦い」という構図にマッチする。
そしてココに割って入る可能性を秘めているのが、昨年の安田記念馬の「モズアスコット」か。
「モズアスコット」は昨年のマイルCSや、香港マイルでは噛み合わない競馬が続いて結果が出てなかったが、立て直されればまだまだ十分にGⅠ手が届くポテンシャルを秘めている馬だ。
そして意外路線からでは、菊花賞馬「フィエールマン」を私は挙げたい。
実績的には菊花賞馬ということで、長距離馬のイメージがあるかもしれないが、この馬は福島競馬場で行われたラジオNIKKEI賞2歳Sからぶっつけで菊花賞を勝ったという変わり種なのだ。
距離が一気に1,200mも延長されたGⅠを、ぶっつけで勝つセンスとポテンシャルは相当なものじゃないだろーか。
2019年は現時点で春の天皇賞に有力馬がおらず「空き家」となりそうな雰囲気なため、そちらに回る可能性もあるが、その「フィエールマン」のセンスと自在性、瞬発力はマイル向きであるとも思えてしまう。
ただ、前出のステルヴィオと同馬主であるキャロットクラブ所属ということから距離の融通性を考慮して使い分けがされ、中長距離路線をしばらく使うことも予想されるが、本質的には瞬発力に秀でたディープインパクト産駒だから、おそらくこの2頭はどこかでぶつかることが予想される。
中長距離路線は前述の「フィエールマン」が有力馬の一頭だが、有馬記念勝ち馬の「ブラストワンピース」もこの路線の中心となるだろう。
昨年が6戦して負けたのがダービーと菊花賞のみで、2戦ともしっかりとした敗因がある馬なので、まだまだ全く底を見せていない馬と言える。
この「フィエールマン」と「ブラストワンピース」の2頭に、「レイデオロ」を加えたこの3頭がこの路線の中心となるだろう。
牝馬路線では、昨年ようやくシルヴァーコレクターから脱したエリザベス女王杯勝ち馬「リスグラシュー」が一応は中心となりそうだが、明け4歳勢も「アーモンドアイ」の陰に隠れて名前が埋もれている馬もいるし、各馬、適距離に戻って変わり身を見せる馬も現れても不思議はないので、ヴィクトリアマイルまでに本格化する馬が出てきても驚けない状況と言える。 -
2018年注目馬の総括として「記憶に残った注目馬」
2018年に記憶に残ったアーモンドアイ
2018年で最も「記憶に残った馬」といえばぶっち切りでアーモンドアイだが、もう一頭、記憶に残った馬といえば今年の安田記念を勝ったモズアスコットだろう。モズアスコットも2018年の記憶に残る馬
モズアスコットは安田記念の一週前の時点で除外候補だったため、やむなくオープン特別の安土城Sを使い、賞金加算を目論んだのが、まさかの2着で賞金加算に失敗した。
安田記念当週も当然除外候補だったのが、主戦のC.ルメール騎手は出走可能なお手馬を他に複数頭抱えていたにも関わらず、モズアスコットへの騎乗に拘り、ギリギリまで出走回避馬が出るのを待った。
結果的にと懇意にしている関東の藤沢厩舎が、ルメールに忖度したのかは不明だけど、出走予定馬を2頭引っ込めたことで、モズアスコットは出走可能となれた。
(父が話題の種牡馬フランケルであったこともこれを後押しした要素だ)
しかし連闘というローテーションはマイルGⅠに挑むにあたっては過酷なもの。
それでもその状況でGⅠを勝ち切ったのなら、否が応でも記憶に残ったレースとなった。↑「記憶に残った注目馬」モズアスコット -
2018年注目馬の総括として「記録を残した注目馬」
2018年に記録を残したアーモンドアイ
2018年度に「記録 を残した馬」と言えば間違いなくアーモンドアイだろうね。
牝馬三冠にジャパンC勝ち。現時点ではまだ発表されてないが、JRA賞において年度代表馬に輝くことは、ほぼ間違い無い。
これだけでもシンプルに凄い記録だが、アーモンドアイは昨年(2018年) 4つのGⅠ勝ちを含む5戦全勝。そしてこれらの勝利一つ一つを検証しても実は様々な「記録」がついて回るのだ。
まずは、1月に行われたシンザン記念。
このレースは1997年~1990年までは牝馬の三連覇があったが、その後2012年のジェンティルドンナまで約12年間牝馬の勝利は無かった。そして5年の歳月を経た昨年2018、アーモンドアイが勝利したのだが、これを整理すると21年間で牡馬を相手にしてこのレースを勝った牝馬は「たったの4頭」。
このことを考えれば、この時点で強さの片鱗を覗かせていたと言える。
次の勝利の記録は「桜花賞」。
桜花賞には「王道ローテ」と呼ばれるローテーションがあり、近年の勝ち馬はトライアルのチューリップ賞から桜花賞という「ローテーション」を経た馬が勝ち馬になることが圧倒的に多かったのだが、アーモンドアイはなんとシンザン記念からの直行で桜花賞を勝利した。
過去に本番の桜花賞から逆算して3か月間以上間隔が空いて勝ち馬となった馬は皆無で、これも「記録」と言えるだろう。
そして桜花賞を経て短期放牧に出されオークスへ向かうのだが、このレースだけはいたって普通で記録らしいものはない。
強いてあげれば常に長距離適性を不安視されているロードカナロア産駒が2,400mを克服し、GⅠを勝てたということかな。
牡馬のステルヴィオが1,800mのスプリングSを勝っているが、アーモンドアイがオークスを勝つまでは、これが重賞では最長距離だったことを考えれば、これも記録と言えば記録かなw
この後は再度放牧となり、「レースを使って即放牧」というパターンはアーモンドアイにとってはこの頃から既に必須の調整方法となっていた。
というのも、アーモンドアイはレースにおいて常に全能力を出してしまうために、それに比例して肉体にかかる負荷がかなり大きかったようだ。
ましてや3歳牝馬なので、あまり馬に負荷をかけたくないという考え方としては理にかなったものと言えるだろう。
この後は当然?のごとく秋は秋華賞直行というローテーションが組まれた。
アーモンドアイは脚質的に「後方一気型」であったため、京都の内回りでどうか?という重箱の隅的な懸念もされたが、終わってみれば「力が違った」の一言だった。
ここで「5年振りの牝馬三冠」という記録がまた増えた。
過去に「牝馬三冠を達成した馬は4頭のみ」ならばこれも大きな記録だ。
さらには秋華賞を迎える前に国枝調教師の頭の中には「勝ってジャパンC」というローテーションが既に頭の中にあったのだろう。
レース前にこそ公言はしていなかったが「八分の出来で勝たせてジャパンC」というローテーションが師の頭の中では出来上がっていたようで、その証拠に秋華賞時のアーモンドアイの馬体重はオークスから14kg増。
これは輸送を経てものだから、実際にはもう少し余裕のあった体であったことが推察されるなら、青写真通りに秋華賞を勝ったと言える。
そして昨年のラストランとなったのが牝馬三冠を達成して挑んだジャパンCだった。
春に同距離で行われたオークスでは力の違いだけで距離を克服してしまったが、今回は牡馬のGⅠ級が相手で、少なく見積もってもここで勝利するためにはオークスの1.2割増しのパフォーマンスが求められるはずだったのが、終わってみれば従来のレースレコードを2秒弱も更新する、誰もが仰天の世界レコードでの勝利となった。2018年のアーモンドアイ が最後に残した記録は、 「世界記録」となった。
同じ牝馬が残した記録としてはジェンティルドンナも牝馬三冠でジャパンCを制しているが、ジェンティルドンナの場合は翌年もジャパンCを連覇し、5歳時にはドバイシーマクラシックと有馬記念を勝っている。
アーモンドアイの場合はこれから再度、世界との戦いが待っているのだが、ジェンティルドンナを超え得るポテンシャルを持っている馬であることは、もう疑う余地のないところだ。
期待しかない。
2020年を振り返り2021年を考察する
2020年度の年度代表馬はアーモンドアイ
(追記:2020/12/30)2020年の中央競馬はアーモンドアイに始まり、アーモンドアイに終わる。というような一年となった。
古馬戦線において春はヴィクトリアマイルを勝ち、安田記念こそ取りこぼすものの、秋は天皇賞(秋)、JCと連勝しG1・3勝。
これで年度代表馬の座はほぼ確定した。
2020年の芝のG1は牝馬が8勝
その他の芝のG1も、高松宮記念をモズスーパーフレア、安田記念、スプリンターズS、マイルCSをグランアレグリア、宝塚記念、有馬記念をクロノジェネシス、大阪杯をラッキーライラック(ラッキーライラックはエリザベス女王杯も勝利)し、先日の「クロノジェネシス〜バゴ産駒でついに生まれた黄金配合?」でも書いたように2020年の芝のG1は牝馬が8勝するという過去に例を見ない年となった。
牡牝混合G1で芝のG1を勝ったのは天皇賞、春のフィエールマンのみだった。
2020年を振り返り、2021年を展望
アーモンドアイ、ラッキーライラックは2020年で引退する。そのため2021年は前記の馬の中で現役続行する馬と、無敗の三冠クラシック勝ち馬のコントレイル、牝馬三冠のデアリングタクトがこれに絡むという様相となりそうだ。
距離別に見ていくと、
芝短距離部門は2020年の走りを見る限り、アーモンドアイをも破ったグランアレグリアで断然のようにも見えるが、管理する藤沢調教師はもう少し長い距離への挑戦を示唆しているようで、若干手薄にな理想な予感。
香港スプリントを勝ったダノンスマッシュがさらに力をつけている感もあるので、まずはこの馬が主役となるんだろうが、明けて4歳となる馬の中からも新星が現れる可能性もあるだろう。
マイル路線はグランアレグリア、そして明けて4歳となるサリオスか。
それと今年のマイルCS・2着のインディチャンプあたりが中心となるだろうな。
中距離路線は混戦が予想される。
今年の天皇賞(秋)、JCでアーモンドアイに苦杯した馬たちと明け4歳のコントレイル、デアリングタクトが絡んでくるという構図となると予想できる。
まず春の大阪杯G1を大目標にする馬が、前述した馬の中から多数出走することになるだろう。
本来ならばドバイWCと馬が分散する時期なのだが、2020年は開催中止だったし、2021年もしばらくはコロナウィルスの影響で海外遠征を敢行する馬は少なくなるハズ。
ここまで書き進めて気付いたのが、どのG1においても勝ち馬の名前は忘れないのだが、意外と2着の馬の名前というのは忘れがちw
あれ、有馬記念の2着馬って何だっけ?とかね(サリオス)
そんな2着馬たちも更なる成長を見せれば、2021年の競馬は今年と同等以上のレベルとなってもおかしくはない。
2021年はコロナが終わってほしいものだね。
2020年秋頃の注目馬〜キングオブコージ
2020年秋に飛躍がのはこの馬。
(追記:2020/6/6)ここまでのG1戦線や重賞路線を振り返って「この馬は秋にいいところがありそうだな」という馬がいるので、一頭紹介したいと思います。
その馬とは、ダービー後の12Rに行われた目黒記念G2を勝ったキングオブコージというロードカナロア産駒。
キングオブコージの馬主は「コージ」?
「キングオブコージ」の馬主は「コージ」という人物なのか調べてみると、馬主は「コージ」さんではありませんでした(笑)オーナーは「増田和啓」という人物で「株式会社マスミフードサービス」という、ラーメン屋などの飲食店を運営している会社の代表だ。
2020年、覚醒したキングオブコージ
「キングオブコージ」は2、3歳時はまだ完成度が低かったのか、なかなか思うように出世できなかった。だが2019年の10月の競馬を終え、しばらく休ませて2020 年1月に復帰した時から、なんと1勝クラスから4連勝し、重賞初挑戦でいきなりG2を勝ってしまったのだ。
2020年は昨年までの走りが嘘のような破竹の連勝を続けている。
そのきっかけとなったのは「距離延長」のようだ。
昨年までは1600mまでしか経験がなかったのが、2020年から2000m戦を選択し快勝。
その後も距離を伸ばして勝ち続けており、馬主の増田和啓氏も、馬を管理する厩舎側も皆が「まさか」と思ってるんじゃないだろうか。
キングオブコージの血統
ロードカナロア産駒と言えばアーモンドアイや、サートゥルナーリアに代表されるように2000m前後で最も力を発揮している。キングオブコージの血統背景を見てみると納得できるところもある。
というのも、キングオブコージは母の父が現在欧州No.1種牡馬と言っても過言ではないガリレオ。
ガリレオの父サドラーズウェルズは数々の名馬を送り出しており、その中でも最も活躍しているのがガリレオ産駒なのだ。
年明けに「試しに距離を伸ばしてみるか」と使った2000m戦で一発回答で勝利したため「暫く中距離を使ってみるか」ということになったと思うが、その後も4連勝で重賞制覇。(早く使っとけばよかったーと後悔してるだろうw)
この血統なら当然得意とする距離は2000m以上。
これは母の父であるガリレオの血が開花したと言える。
かつて欧州No.1種牡馬であるサドラーズウェルズと、日本No.1種牡馬のサンデーサイレンスを配合して、日欧最強種牡馬配合は何度も試されてきたが、これと言って活躍した馬は出ていなかった。
しかし、今回のキングオブコージの重賞制覇で、半ば諦められかけていた欧州最強種牡馬を父に持つ繁殖牝馬が、日本では走らないという認識が覆され、ロードカナロアとの配合相性がいいということがここで証明されつつあるのだ。
今後のキングオブコージの活躍次第では「長距離でも活躍できるロードカナロア産駒」と、期待できる可能性も高まっている。
2020年に注目している馬なのだ。
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